2009/10/10

百日の恋


(December 2004, Buenos Aires, Argentina)

百日間、君の窓の下で待つ。
気持ちが変わったら窓を開けて。
それだけでわかるから。

一日、二日、十日がたった。
彼は雨の日も、風の日も、そして雪の日も立ち続けた。
九十日が過ぎ、彼は痩せ細り目からは涙が滴り、
視る力もなくなっていた。
そんな彼を、彼女はずっと、部屋の中から見守っていた。
そして、九十九回目の夜が明ける前、彼は立ち去っていった。
               メキシコで聞いた物語より