skip to main |
skip to sidebar
(July 2007, Amsterdam, Nederland)
街角を曲がると、50あまりある運河の一つに出会い、500あまりある橋の一つが目に映る。並木は左右に途切れることなく続き、切妻屋根の家並みが水の街路に映し出される。木々は路を美しくし、街歩きを庭園の散歩のように楽しい時間にしてくれる。
(February 2010, Tokyo, Japan)
朝の光が地球をめぐり
すべての生命を新しくしていく。
いま、朝の光はこの街を走りぬける。
地平線の向こうの街に
新しい朝をとどけるために。
(January 2010, The Tokyo Tower, Tokyo, Japan)
素顔のままが好きだ。
大人っぽい顔も好き。
(January 1st 2010, Tokyo, Japan)
もうすぐ新しい一年の最初の朝がくる。
明るい月あかりのバルコニーに出ると
都会の夜空に星が煌めいている。
カメラを取り出し、シャッターを切る。
その瞬間、肉眼では捉えきれない光たちが
写真という空間の中にその痕跡をのこしていく。
真ん中にオリオンの三ッ星が並び
青、赤、緑、そして透明な光が響き合う。
色とりどりの星の光が夜を埋め尽くしている。
(June 1990, Centre Pompidou, Paris, France)
「つどい」は都市の本質だ。つどうことは人間の根源的な欲求から生まれる。人は自己を表現し、自分の中にある何かを伝え、人と共有したいと願う。その人間的な欲求から人はつどうようになり、つどいが始まった場所が街路となった。そして、街路が生まれたとき、都市の姿がつくられ始めた。街路は人がつくり出したもっとも人間的な場所であり、人間がつくった最初の空間だ。
現代都市の中では「つどい」の場所をみつけることが日々、難しくなっている。そのことに反比例するように人とつながりたいという欲求は強くなっていく。街を歩いていて気づかされるのは、そこには道路はあるが街路は無いということだ。
(December 2005, Kachidoki, Tokyo, Japan)
美しい橋は風景にロマンを添える。勝鬨橋は数少ない跳開橋だ。1940年、東京の月島を舞台に開催されるはずだった万国博覧会の花形として計画されたのが勝鬨橋だ。日本の技術力を世界に誇示し、近代化した東京の象徴として勝鬨橋は造られた。勝鬨橋は東京湾から隅田川に上る船舶を最初に迎える橋であり、跳ね上った橋の姿は多くの画家を魅了した。時代は変わり運輸の主役は水運から陸運になり川を行き交う大型船も姿を見せなくなる。風物詩の跳開は1970年を最後に行なわれることはない。橋の中央、四カ所の機械室には、今も橋を持ち上げるモーターが静かに眠っている。いつか、橋が跳ね上がる日を待つように。
(November 2009, Harumi, Tokyo, Japan)
I carry your heart with me.
I carry it in my heart.
(October 2003, NY, USA)
マンハッタン島は強固な岩盤に支えられている。この百年間、岩盤の上に現代のバベルの塔が競うように建設されてきた。今、マンハッタンは高層建築の博物館のようだ。アールデコで飾られた壁面、エレベーターの意匠や照明など。この街には文化の証を伝える宝石がちりばめられている。
(December 2005, Tokyo Tower, Tokyo, Japan)
東京タワーに郷愁をおぼえる人は少なくない。東京に近代を象徴するタワーをつくる願望が生まれたのは明治の頃だろうか。明治の都市計画家は好んでパリを引き合いに出し、都市論を語った。当時、パリは近代のシンボルであり、放射状に整えられたオスマン流の都市像が首都のモデルとされた。当時の都市計画家にとって、都市は「生活の場」であるよりも「眺められる空間」であり、風景としての価値により多くの関心が払われた。
しかし、現代の東京はパリのオスマン式都市とも、他のヨーロッパのどの都市とも違う。かつて都市計画家たちが描いたユートピアが実現することはなかった。東京タワーが唯一、夢の痕跡のように立ちつづけ、街を見つめ続けている。
(October 2006, sunrise, Tokyo, Japan )
都市は書物に似ている。ページは街路。標題は町の名前。物語の中の私たちは旅行者のように振る舞う。そう思うと、街の時間が豊かになり、空間に詩情が溢れるようになる。自然や生態系に対して破壊者のイメージがつきまとう現代の都市だが、人間のつくったものには美しい場所や瞬間がたくさんある。都市も、そこに生きる人間も自然のふるまいのひとつだし、愛しい存在なのだから。
(October 2009, Tokyo, Japan)
すばらしい青空。
地球ってすごい。
(July 2006, Paris, France)
小雨の中、バスを待つ列の中に傘をもたない若い女性がいた。たいした雨ではないが、空を見上げると額に雨粒があたる。
「どうぞ、もしよろしかったら、お入りになりませんか?」
呼びかけたはずの言葉はなぜか、心の中にとどまり、声になっていない。しかたなく、自分の傘が彼女にかかるようにして、バスを待った。
ほどなくバスが到着した。傘をとじてステップを上がると、バスは小雨の中を走り始めた。
(November 2008, Tokyo, Japan)
遠い昔の街が語りかけてくる。
やがて、星粒たちが風の中に踊り始める。