2009/12/10

街路


(June 1990, Centre Pompidou, Paris, France)

 「つどい」は都市の本質だ。つどうことは人間の根源的な欲求から生まれる。人は自己を表現し、自分の中にある何かを伝え、人と共有したいと願う。その人間的な欲求から人はつどうようになり、つどいが始まった場所が街路となった。そして、街路が生まれたとき、都市の姿がつくられ始めた。街路は人がつくり出したもっとも人間的な場所であり、人間がつくった最初の空間だ。
 現代都市の中では「つどい」の場所をみつけることが日々、難しくなっている。そのことに反比例するように人とつながりたいという欲求は強くなっていく。街を歩いていて気づかされるのは、そこには道路はあるが街路は無いということだ。