2009/12/11
青い色に
(July 2001, Acoma, New Mexico, USA)
ニューメキシコ州の都市アルバカーキから車で半時程南に走ると、赤く焼けた大地に聳えるテーブル・マウンテンが姿を現す。テーブル・マウンテンはメサとよばれている。地球が生きてきた悠久の時間を感じさせる象徴的な風景だ。メサの上には地上と隔絶された文化が今も息づいている。
村を歩くと、住居の窓や出入り口の周りが青い色で縁取りされていることに気づく。聞いてみると、出入り口の周りを青く塗っておくと家の中に悪霊が入ってこないと言う。青は魔除けに使われる色ということだ。
どうも青は特別な色らしい。日本でも古くから多くの人が青に魅せられてきた。いにしえの時代、人は想いを伝えるために青い玉を贈ったという。青は愛情を伝える色であり、大切な人の幸せを願う色だった。地球の反対側のアコマの美しい青につれられて、いつの間にか、遥か遠い古代の日本の連想を旅していた。