2009/12/12
seed pot
(December 2005, my place, Tokyo, Japan)
シードポットには小さな穴が一つだけあけられている。このポットの表面には二匹のトカゲが歩いているが、一匹のトカゲの頭のところに小さな穴がある。この穴から種を一つずつポットの中に入れる。中が種で一杯になると、ポットは暗所で保管され種蒔きの季節を静かに待つ。種を蒔くときはポットから種を取り出さないといけない。しかし、どうやってこの小さな穴から種を取り出すのだろう。聞いてみると、なんとポットを割ってしまうという。
毎年毎年、新しいポットをつくり新しい絵を描き続ける。壊すことで新しいものを創るサイクルができあがっている。旅する者にとっては、そこにあるポットはたった一つしかなく、壊してしまえば永遠に失われるような気がする。しかし、彼らの心の中には変わることのないメッセージが生きつづけていて、消えることはない。冬に枯れて種をのこし春になると新しい命を芽吹く植物のように、彼らの芸術も自然のサイクルの中にある。