2009/12/14
Village Green
(July 2001, Acoma Pueblo, New Mexico, USA)
午前、土の竃に火がくべられる。食べるためには火をおこさないと
いけない。煤で真っ黒くしたら食べることが出来ない。竃の周りに
賑わいがうまれる。食べるための技術や知恵がリレーされていく。
Louis. I. Kahnは村の共有地のことをヴィレッジ・グリーンと名づけた。ヴィレッジ・グリーンはつどいの場所だ。人間はつどうことで学び、表現の欲求をみたす。Acoma PuebloやTaos Puebloでは、土でつくられた竃の周りがヴィレッジ・グリーンになっている。人々は竃の周りで収穫したトウモロコシをたたき、粉にし、その粉を練る。それを火にくべて主食のトルティーヤを焼き上げる。世代を超えた村人が竃の周りにつどい、話がはずむ。ヴィレッジ・グリーンは、知恵や技術を次の世代に伝えていく場でもある。
(July 2001, Taos Pueblo, New Mexico, USA)
ヴィレッジ・グリーンの多くが、食にかかわる営みを取り込むようにつくられてきた。現代の都市や宅地がどこかよそよそしいのは、そこに営みが共有される場所を見いだすことが難しいからだ。共有地の多くが公園などの修景施設でそれ以上のものではない。
歴史的な街や文化をひもといてみると、明日のヴィレッジ・グリーンが見えてくる。これからの街づくりにもとめられるヴィレッジ・グリーンは、どのようなものだろうか。その姿を描いてみたい。