2009/11/21

三日月


(November 2009, Crescent Moon, Tokyo, Japan)

 青い空の中に三日月が動いていく。月には二十七の顔があるが、その中でも三日月には数多くの名前が付けられている。初月、若月、眉月など。三日月は新月から数えて三日目から四日目の間、夕方のまだ明るい時間に西の空に姿を見せ、太陽とお揃いになる。

2009/11/19

森の火葬場




(July 2006, Skogskyrkogarden, suburb of Stockholm, Sweden)

 森の火葬場は、建築家アスプルンドが設計した森の墓地の中にある。森の墓地は風景建築の先駆的な作品で、20世紀以降の建築で初めて世界遺産に登録された。
 広大な敷地の中に森の火葬場、森の礼拝堂が配置され、雄大な起伏をもつ大地に森が点在する。火葬場は柱廊に内包されるように設置されている。列柱に囲まれた空間の中に居ると時間が静止しているように感じる。列柱の外には二つの丘がある。丘の頂の間の空間は風景の中に象徴的な焦点をつくり出し、そこに石の十字架が置かれている。十字架は死と再生のシンボルであり、空に浮かび上がったシルエットが永遠の時を暗示している。

2009/11/18

Villa Savoye


(July 2006, Viila Savoye, Poissy, France)

 ミニマリズムの白い住宅。サヴォア邸は20世紀の建築史にその名を残す名作だ。今日、建築家たちが新しく発見したと思っている空間原理の多くは、この住宅の中で発見することができるだろう。この住宅がフランスの小さな町に誕生してもうすぐ80年になるが、その空間の魅力は人を惹き付けてやまない。かろやかに大地から浮遊するピロティ、スロープによる回遊式の空間構成、空に開けた空中庭園。光と視線、空間と時間。サヴォア邸ではそれらが出会い、今も物語が生まれている。

Silence to Light
Light to Silence
The threshold of their crossing
is the singularity
is inspiration

      Luis Isidore Kahn



(July 2006, Viila Savoye, Poissy, France)

2009/11/17

夜空の大時計


(November 2009, my hometown, Gunma, Japan)

 日没後、空が紺色のグラデーションに染まる。微かな光がホリゾントになり山のシルエットが浮かび上がる。一番星をかすめるように、飛行機がとおり過ぎ、山を越えて行った。その後には、わずかな明かりを反射した白い飛行機雲が残される。夜空に弧を描く飛行機雲にカメラを向けシャッターを切った。
 次の瞬間、飛行機雲は大きく動き始めていた。まるで、大時計の秒針のように回転していく。そのドラマティックな光景に地球を巡る大きな風を感じた。

2009/11/16

命のリレー


(November 2009, Tanigawadake, Gunma, Japan)

 山頂の冷たい空気が肌を刺し、間もなく冬が到来することを感じさせる。葉の色は干草色に変わり、土に還る準備を始めている。小雪がちらつく頃には葉が落ち、全てが深い雪に閉ざされる。凍てつく土の底で微生物たちが草を分解し、草が蓄えた太陽のエネルギーを大地に届けていく。
 命が終わる季節は、新しい命の始まりを告げる季節でもある。冬の間、大地の奥深くでは新しい命の息吹が始まっている。ふたたび春の陽射しが巡ってくる頃、小さな命たちは一斉に顔を出すだろう。

2009/11/15

ブナの森



(November 2009, Tanigawadake, Gunma, Japan)

 ブナの巨木を抱え、その幹にそっと耳をあてる。かすかに水音が聞こえるような気がする。ブナは水を豊かに蓄える樹だ。たえまなく大地から水をくみ上げる。その幹の表皮は苔をまとい、空気中からも水分を集める。
 秋の終わる頃、その葉を落とし、ブナは明るい灰色に輝く。この季節、ブナの森は一面スノーホワイトに染まる。幻想的で、まるで水墨画のような美しさだ。