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バス停で
(July 2006, Paris, France)
小雨の中、バスを待つ列の中に傘をもたない若い女性がいた。たいした雨ではないが、空を見上げると額に雨粒があたる。
「どうぞ、もしよろしかったら、お入りになりませんか?」
呼びかけたはずの言葉はなぜか、心の中にとどまり、声になっていない。しかたなく、自分の傘が彼女にかかるようにして、バスを待った。
ほどなくバスが到着した。傘をとじてステップを上がると、バスは小雨の中を走り始めた。