2009/10/09
あおい貝
(March 2003, Okinawa, Japan)
「あおい貝は、その殻からは想像もできないような生涯を送る。それは、実際に子どものための揺りかごとなり、母のあおい貝は、これを抱えて海の表面に浮かんでいる。そこで、卵が孵り、子どもたちはやがて泳ぎ去り、母親のあおい貝も殻を捨てて新しい生活を始める。・・・美しい貝で、それが想起させるものもまた美しい。」Anne Morrow Lindberghがその著書「GIFT FROM THE SEA」で綴った美しい一節。
2003年の春にあおい貝を一度だけ見た。古代帆船の帆のようにおおらかに描かれた弧、繊細で建築的な造形。淡く透明な緑色が美しく、しばらくその前から動けなかった。
いつか、あおい貝を海辺に探しに行きたいと思い続けている。冬になると日本海岸に漂着するらしいから。