skip to main |
skip to sidebar
世界を知った最初の人間
(January 2005, Strait of Magellan, Punta Arenas, Chile)
人類が空を飛んだり、海の中に潜ることなど夢にも思わなかった頃、ほんの一握りの人間だけがちがっていた。彼らは川や入り江に出会うと、そこに漕ぎ出してみたいと思った。そこにあったのは、丸太や草舟の類いだった。それらを繋ぎ合わせてみると筏が生まれた。岸伝いにおそるおそる漕ぎ出してみた。やがて筏は岸から離れ、最初の舟が誕生した。舟は徐々に彼らを遠くに運ぶようになり、いつしか、より大きくなり船になった。船が彼らを大海原に運んだとき、彼らは世界を知る最初の人間となった。