2009/11/22
森の礼拝堂
(July 2006, Skogskyrkogarden, suburb of Stockholm, Sweden)
森の火葬場からいくつかの小径を過ぎる。やがて壁に囲まれた森が現れ、壁に開けられたトンネル状の門の先に深い森と礼拝堂が見えてくる。礼拝堂の黒いこけら葺きの屋根は、ピラミッドのように重たく無言のままだ。トスカナ式の柱がその重みに耐えながら屋根を地面から持ち上げている。建築の存在自体が森の暗く重たい空気を強調し、正面の屋根には死の天使が金色の翼を広げている。死を象徴する空間を歩き礼拝堂の中に入ると、そこは天空とむすばれた半球の天井になっており、降りそそぐ光がすべてを満たしていた。